今日はゼクの日

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「ゼク」という医療行為があります。ガンダムではありません。

亡くなった患者さんの病理解剖のことを指します。

死因の特定が難しい時、珍しい症例だった時などにゼクが行われます。

 

ゼクがある日は医事課は微妙な緊張感に包まれます。

まず医師が病理解剖を行っている間に、やることが地味にあります。

 

① 応接間を押さえておく。

ご家族へ病理解剖の結果説明を行う場として用意。

病院の応接間が何部屋もあればいいですが、当院は一部屋なので、他の予約と被った時は譲ってもらう調整をします。

 

②医療費の計算を終わらせておく。

病理解剖の結果を書いた死亡診断書をご家族に渡す時に、医療費の請求書も渡せるようにしておきます。

ここで計算間違いや請求漏れなどがあったりすると目も当てられないので慎重に計算します。

間に合わず後から請求書を郵送するとなるとちょっとご家族の印象が悪いので、丁寧に、でも急ぐ。

 

③不祝儀袋を用意する。

病理解剖は、患者さんの死因を確認・特定するとともに、解剖して分かったことを今後の医療の質の向上に反映させるために行っています。

「見せていただいてありがとうございました」という気持ちを込めて、見舞金を包みます。

 

 

病理解剖が終わって、医師から死亡診断書が下りてくると

 

① 通常の死亡診断書と同様、医事課職員数名で内容をチェックする。

ここで記載ミスがあって、市役所から連絡が来ないよう厳重に。

 

② 応接間へ医師とご家族をご案内

 

③ 医事課職員も同席して、解剖結果の説明を聞く

 

④ ご家族に見舞金を渡すとともに、医療費の請求書も渡す。

ここで入院中のこと、医療費のこと、支払い方法(場合によっては分割など)などの話題に及ぶことも。

 

大抵、同席するのは医事課長ですが、所用で不在の場合は主任、副主任、最悪ヒラの医事課職員へと役目が回ってくるので、応接間での一通りの作法はみんなで確認し合っています。

やっぱり最後の最後まで「ここで看てもらってよかった」と思われたいので、不手際のないよう細心の注意を払うゼクの日は緊張します。