医事課からみたあの作品―『陽のあたる家』の失業給付―

 

 

夫婦と子供2人世帯の「沢田家」が、夫の急病と失業により経済苦に見舞われ生活保護を受給するまでを描く、さいきまこ『マンガでわかる生活保護 陽のあたる家~生活保護に支えられて~』(秋田書店)。

 

さいきまこ『マンガでわかる生活保護 陽のあたる家~生活保護に支えられて~』(秋田書店)より引用

自己都合退職の場合は、失業給付は3か月間受けられません

 

確かに自己都合での退職の場合、「失業給付(基本手当)が3ヶ月間受けられない」(解雇の場合はその規定なし)のではありますが、それ以前に夫が入院している状況ではそもそも失業給付は受けられなさそうです。

 

ハローワークインターネットサービスより引用

 

「失業したから」受給できるのではなく、「失業して、就職したいと思っており仕事ができる状況にもかかわらず仕事に就けないから」受給できるのが失業給付(基本手当)なのです。

 

したがって、自己都合退職うんぬん以前に、今現在入院して療養中である夫ははなから失業給付の対象者ではないのです。

それを作中のハローワーク職員が指摘しない辺り、作者の社会資源の知識が不十分だと思われます。