医事課からみたあの作品―『病院でぼくらはみんな病んでいる』

 

 

安斎かなえ『病院でぼくらはみんな病んでいる。』は、病院で遭遇した腹の立つ出来事や恥ずかしかった出来事を実話をもとにまとめたマンガです。

もともと作者が看護師とマンガ家を兼業していたこともあり、病院の内情がとてもリアルに描かれています。

病院の心霊現象はもう定番として(人が集まる場所にはどうしても霊も集まりがちです)、医療従事者として問題のある医師や看護師のエピソード、特に医療ミス、守秘義務違反などは強烈。

 

もちろんどんな病院にも「この人はちょっと…」というスタッフはいるものです。私の職場にも投書箱があり、名指しでスタッフに苦情が入っていたりします。

ただ、問題がある病院ほど問題がある医療従事者が集まっている例も多く、少しでも違和感を感じたらすぐ病院を変わるくらいしか自衛手段はありません。

 

ちなみに私が「あの病院嫌だったなー」という思い出は…

ある歯科に初めてかかったら、初老の医師が患者の目の前でスタッフを叱りつけながら診察していました。

いざ私の治療になると、倒した椅子の上の私の胸に治療器具を並べて使い出したのもさておき、治療しながら医師が肘を私の胸にこすり付けて来るんです。

パワハラ、セクハラ、デリカシーのなさに早々に辟易して、次回の予約は取らずさっさと転院しました。

 

なお、医療機関にも「2025年問題」が存在します。

団塊の世代が後期高齢者になるというこの問題、医療機関にとっては患者が増えるというだけでなく、患者のニーズが多様化・複雑化するだろうと予想されているのです。

ある医療コンサルタントによれば、団塊の世代は、個別性のある医療を求めながら(自分だけ特に医療に力を入れてもらいたい)、普遍性のある医療も求める(みんなと同じように扱ってもらいたい)二面性があり、なおかつ医療のリテラシーが高く(パソコンやスマホ、周囲の口コミなどで色んな情報を仕入れてくる)、新しいものに抵抗がない(最新の医療、最新のサービスが好き)と指摘されています。

このような患者さんが増える時、医療の質・サービスの質が低い病院は淘汰され、質が高い病院が生き残るだろうと予想されます。

生き残るためには、今回取り上げたマンガのような「病院でこんな思いをした」というドキュメンタリーものを読むことで、我が身を振り返ることが大切だと思います。